龍子の扉


龍子は、中谷吉隆の俳号です。

中谷取材ノート 過去に取材した思い出深いシーンを
紹介

中谷取材ノート ―写真を趣味にしたコンタックス党の佐治敬三とライカ党の黒川光朝さん―

コンタックスのレンズの味わいが気に入っているとご満悦で語る佐治敬三さん。(1987年撮影)
コンタックスのレンズの味わいが気に入っているとご満悦で語る佐治敬三さん。(1987年撮影)
愛用のライカは、ボティを手にした時の感触がすこぶるいいと語る黒川光朝さん。(1987年撮影)
愛用のライカは、ボティを手にした時の感触がすこぶるいいと語る黒川光朝さん。(1987年撮影)
日本の経済が成長し世界を席巻する時代となってきて、その企業を統率するトップ・リーダーたちの素顔、プライベート面を総合誌やビジネス誌が取り上げるようになり、その取材で飛び回ったことがある。

趣味の中ではゴルフや囲碁、将棋、読書、レコード鑑賞が多かった。囲碁、将棋ではプロ棋士に伝授してもらう熱の入った方も大勢いた。写真を趣味にしている経済人は多くなかったが、わたしの立場からすると淋しさがあった。

そんな中でサントリー社長の佐治敬三さんと羊羹のとらや社長の黒川光朝さんを取材できたのは嬉しかった。佐治さんの愛機はコンタックス、黒川さんはライカ党で、カメラ談義写真談義で時間があっという間に過ぎ、公の場では見せない表情もあった。

また、新日鉄の武田豊社長の執務光景を取材した折、事前に武田さんはライカ好きという情報を得ていたので、ライカを持参して撮影したが、「君、ライカの話を聞かせてくれないか」と、応接用の椅子に私を招いた。約束の撮影時間は10分で、扉のところの秘書は時計を見ながらやきもきしている。カメラの質問のあれこれに私は答える。次々と質問は出てきて、「やはりカメラはライカだね」で終わったが、30分以上も過ぎていた。その後のスケジュール調整に秘書は苦労したに違いない。

余談だが、総理大臣を務めた橋本龍太郎さんも写真好きだった。ある取材で長期間にわたり追うことになったが、自民党の総裁室での撮影の折、カメラの相談を受けた。愛用している蛇腹カメラの一台が故障していて、どうにかならないかということだった。早速お預かりして懇意にしている専門の修理屋で直して届けた。橋本さんは風景写真を主に撮っていて、毎年カレンダーを作り関係筋に配っていた。

その他にもカメラ、写真を愛好している方に出会ったが、相当に詳しい方も多く、談義に熱が入り蘊蓄を傾けての時間があったのが今となっては懐かしい。

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